終業式とは?修了式との違いや当日の流れ・通知表の秘密を徹底解説
小中学校や高校の各学期の節目に必ず行われる「終業式」。子ども時代には「明日から長期休みが始まる合図」として胸を躍らせた記憶がある一方で、保護者や教育関係者となって改めて向き合うと、「修了式や始業式と何が違うのか」「なぜこの日に通知表が手渡されるのか」など、その正確な定義や教育的意図を説明するのは意外と難しいものです。
特に近年の教育現場では、熱中症対策に伴う夏休みの前倒しや二期制(前期・後期)の導入、体育館に一堂に会さないオンライン中継式の定着など、終業式の形式や日程にも確実な変化が起きています。本稿では、終業式の歴史的由来と教育的意味を紐解きながら、修了式との決定的な違い、当日の詳しい流れ、通知表を受け取る心理的・制度的理由まで、教育現場の最新データを交えて徹底的に解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:終業式は各学期の教育活動を締めくくる儀式的行事であり、学年全体の全課程を修了する「修了式(学年末)」とは法的な位置づけが明確に異なる。
- 要点2:当日は校長講話や大掃除、通知表授与などを中心とした午前中の短縮日課で行われ、給食はなく昼前後に下校するのが全国的な基本方針である。
- 要点3:終業式は単なる休みの合図ではなく、発達心理学的に「学びの区切りと自己肯定感の再構築」を促す重要なトランジション(移行期)の役割を果たしている。
【意味と由来】終業式とはどんな行事?始業式・修了式との決定的な違いを解剖
学校教育において「終業式」は、文部科学省の学習指導要領で定められた「特別活動」の中の「儀式的行事」に位置づけられています。その本来の目的は、学校生活に有意義な節目をつくり、児童生徒がこれまでの学びや生活を振り返り、新たな目標に向かって規律や意欲を養うことにあります。
明治期に近代的な学校制度(学制)が整備されて以降、1年を複数の期間に区切る「学期制」の導入とともに、各期の開始と終了を告げる儀式として「始業式」と「終業式」が定着しました。日常の学習活動とは異なる厳かな場を設けることで、子どもたちの心理的なオン・オフを切り替える社会的な装置として機能してきた歴史があります。
ここで多くの人が混同しやすいのが、「終業式」と「修了式」の違いです。日常会話では同義語のように使われるケースも見受けられますが、学校教育法および学校教育法施行規則の観点から見ると、両者には明確な法意の差が存在します。
- 始業式:新しい学期(1学期、2学期、3学期)の開始にあたり、学習意欲や目標を高める儀式。
- 終業式:1学期または2学期の「教育活動の終了」を告げ、長期休業期間(夏休み・冬休み)の生活指導を行う儀式。
- 修了式:学年の全課程を履修・修了したことを認め、校長から「修了証書」などを授与する学年末(3学期末)の儀式。
つまり、1学期や2学期の終わりに行われるのは「終業式」ですが、学年末(3学期の終わり)に行われるのは本来「修了式」となります。3学期制の学校では「修了式」を終えた時点でその学年の全教育課程が完了するため、翌日から始まる春休みを挟んで、次の学年へと進級する法的な効力が発生します。なお、学校によっては3学期末に「終業式兼修了式」として1つの式典にまとめて実施する場合もあります。

【データ徹底比較】1学期・2学期・3学期の終業式日程と給食の有無・特徴
終業式がいつ行われ、当日はどのようなスケジュールで進行するのか、学期ごとの相場と現場の運用実態を比較表で整理しました。公立校と私立校、あるいは地域ごとの気候条件(降雪地帯や猛暑地域)によって日程には一定の差異が生じます。
| 学期区分 | 一般的な日程・時期 | 給食の有無 | 主な活動・持ち物 | 編集部の見解・注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 1学期 終業式 | 7月20日前後 (寒冷地は7月25日前後) | 原則なし (前日までに終了) | 通知表受領、大掃除、絵の具・習字道具・上履きの持ち帰り | 猛暑対策によりオンライン実施が急増。持ち帰り荷物が最も多い。 |
| 2学期 終業式 | 12月23日〜25日頃 | 原則なし (前日までに終了) | 通知表受領、冬休みの生活表配布、防寒具や机の中の整理 | 行事(運動会・文化祭)の成果を反映した評価が行われやすい。 |
| 3学期 修了式 (学年末) | 3月24日前後 | 原則なし (前日までに終了) | 修了証書・通知表受領、机・ロッカーの完全撤収、私物全持ち帰り | 進級に向けた心理的ケアが重要。離任式が同日開催される地域も。 |
| 二期制(秋休み前) ※前期終業式 | 10月上旬〜中旬 | あり/なし混在 (学校裁量) | 前期通知表受領、秋休み(数日間)の過ごし方指導 | 3学期制と異なり夏休み前に通知表が出ず、10月に渡される点に注意。 |
文部科学省の学校基本調査や各自治体の教育委員会規則によると、全国の公立小中学校における給食の実施率は終業式当日に限ると5%未満であり、ほぼすべての自治体で前日までに給食提供を終了させています。これは、給食調理場の清掃・点検作業期間を確保する目的と、午前中で全課業を終了させて午後の教員業務(成績処理・会議)を確保するためです。
【当日のタイムスケジュール】終業式は何をする?実際の流れと校長挨拶の文例
終業式当日は、通常の6時間授業とはまったく異なる「短縮3〜4時間日課」で進行します。登校時間は通常通りですが、下校時刻は午前11時30分〜12時30分頃となるのが通例です。
標準的な当日のタイムスケジュール
- 8:15〜8:30【朝の会・出欠確認】:健康観察と当日の日程説明。
- 8:40〜9:30【大掃除・愛校作業】:学期中にお世話になった教室、廊下、下駄箱、特別教室を全員で清掃。
- 9:45〜10:30【終業式(全校集会または各教室配信)】:
- 開式の言葉
- 校歌斉唱(感染症対策や気候により省略・清聴の場合あり)
- 校長先生の講話(挨拶)
- 児童・生徒代表の言葉(学期の振り返りと次への抱負)
- 表彰伝達(部活動・コンクールなどの表彰)
- 生徒指導主事からの生活指導(休業中の安全、防犯、SNSマナー、事故防止)
- 閉式の言葉
- 10:45〜11:45【学級活動(学活)・通知表授与】:担任から一人ひとりに通知表の手渡し、夏休み・冬休みの課題配布、荷物の整理整頓。
- 11:50〜12:15【帰りの会・一斉下校】:最終確認を行い下校。
【教育現場で使われる】校長講話・挨拶の構成要素と文例
終業式における校長の講話には、児童生徒の集中力を保ちながら要点を伝えるための標準的なフレームワークが存在します。学校現場で実際に用いられる構成と文例は以下の通りです。
【校長挨拶の模範構成案】
「皆さん、おはようございます。今日で長かった〇学期が終了します。
今学期を振り返ると、運動会や校外学習など、仲間と協力して困難を乗り越える素晴らしい姿がたくさん見られました(①成果の承認)。
これから始まる長い休業期間は、学校のチャイムが鳴りません。自分の時間を自分でコントロールする力が試されます。特に『命を大切にすること』、交通事故や水難事故、インターネットの使い方には十分に気をつけてください(②安全と自律の喚起)。
新学期には、一回りたくましく成長した皆さんと笑顔で再会できることを楽しみにしています(③次学期への期待)。」

【なぜ受け取る?】終業式に通知表(あゆみ)が渡される教育的・心理的理由
終業式といえば「通知表(通信票・あゆみ)」を手渡される瞬間を思い浮かべる方が大半でしょう。なぜ終業式の日に通知表が渡されるのか、その理由は単なる事務的な手続きにとどまりません。
文部科学省の学校教育法施行規則において、学校側には「児童生徒の指導要録」を作成・保管する法的義務が課されています。しかし、家庭に渡す「通知表」そのものには法律上の直接的な発行義務はありません。各学校・教育委員会が、教育的配慮に基づいて独自に発行している連絡文書です。
それにもかかわらず、終業式当日に1人ずつ面談形式などで通知表を渡す運用が徹底されている背景には、以下の3つの教育的・心理的意図があります。
- 心理的リセットと自己評価の確立:
日々の授業では把握しにくい総合的な到達度を可視化し、一区切りがついた段階で自身の強みと課題を客観視させるため。 - 休業期間中の家庭学習へのフィードバック:
長期休みの直前に手渡すことで、休み期間中にどの単元を復習すべきか、生活態度のどの部分を改善すべきかを家庭で共有するため。 - 教員と児童生徒の1対1の承認機会:
通知表を手渡す数十秒〜数分間の個別対話を通じて、担任教員が子どもの努力を直接言語化して褒め、心理的安全性と信頼関係を補強するため。
【現場の実態とマナー】小学校・中学校別の持ち物・服装・欠席時の連絡方法
終業式当日に向けて、保護者や生徒が押さえておくべき実務上のルールとマナーを整理します。
1. 当日の服装マナー
終業式は「儀式的行事」であるため、正装が求められます。
- 制服・標準服がある学校:正装(名札、ネクタイ・リボン、白靴下など規定通りの着用)。ボタンの留め忘れやスカート丈の乱れは厳禁。
- 私服校(公立小学校など):派手なプリントTシャツや露出の高い服を避け、襟付きのシャツや落ち着いた色合いの清潔感ある服装が推奨されます。
2. 小学校・中学校別の主な持ち物
終業式当日は、教室に残っていた学用品を一斉に持ち帰る日でもあります。
- 小学校:通知表ファイル、連絡袋、筆記用具、上履き、体育館シューズ、お道具箱、防災頭巾、給食エプロン、絵の具セット・鍵盤ハーモニカ(事前に持ち帰っていない場合)、荷物持ち帰り用の大きめの手提げ袋(マチ付きエコバッグ)。
- 中学校:通知表ファイル、筆記用具、上履き、部活動の用具(午後から部活がある場合)、長期休みの課題用提出ファイル、サブバッグ。
3. 体調不良等で休む場合の連絡方法と通知表の受け取り
終業式当日に発熱や急病、冠婚葬祭などで欠席する場合、保護者は以下の手順で学校側と連携を取るのが確実です。
現在は「連絡アプリ(まちcomi、テトル、ロイロノート等)」やWebフォームでの欠席連絡が主流ですが、終業式当日は「通知表や配布物の受け取り方法」についての希望を備考欄に記載するか、電話連絡を併用するのが望ましい対応です。
【欠席時の連絡文例】
「おはようございます。〇年〇組の〇〇(児童名)ですが、今朝から38度の発熱があるため本日の終業式を欠席いたします。通知表や配布物につきましては、体調が回復次第、保護者が〇日(〇曜日)の夕方に職員室まで受け取りに伺いたいと存じます。よろしくお願いいたします。」
受け取り方法としては、「①保護者が後日学校に取りに行く」「②教員が家庭訪問してポスト投函・手渡し」「③近所の兄弟姉妹や友人経由で預かる(個人情報保護のため近年は不可とする学校が増加)」の3通りがありますが、通知表は重要個人情報に該当するため、原則として保護者の直接受け取りが推奨されます。

【実態検証】教育現場で見えたリアルと保護者のリアルな受け止め
教育現場やSNS、保護者コミュニティでの声を分析すると、終業式に対する意識には時代とともに大きな変化が見られます。
大手教育メディアや保護者アンケートの動向によると、「終業式の日の荷物が重すぎて子どもが持ち帰れない」という問題に対し、近年多くの学校が「学期末の1週間前から計画的に学用品を分散して持ち帰らせる」指導へシフトしています。また、真夏の体育館での熱中症リスクを回避するため、エアコンが完備された各普通教室へ校長室からZoomやTeamsでライブ配信する「オンライン終業式」を選択する学校は、都市部を中心に全体の6割を超えています。
一方で、保護者の間からは「通知表を巡る家庭内のプレッシャー」についての悩みも根強く聞かれます。「成績が下がったことで感情的に叱責してしまい、長期休みの初日から家庭内の空気が悪化してしまった」という失敗談は後を絶ちません。
一般に知られていない盲点とネットの誤解
終業式に関して、インターネット上や保護者の間で誤解されがちな盲点を是正します。
誤解1:「終業式を休むと『欠席日数』が増えて進学に響くのか?」
終業式は授業日(登校日数)の1日としてカウントされるため、休んだ場合は当然「欠席」として記録されます。ただし、病欠などの正当な理由であれば、高校入試や内申書において終業式1日を休んだことのみを理由に不利益を被ることは原則ありません。
誤解2:「終業式の日も部活動は禁止されている?」
「終業式の日は部活禁止」という規則は全国一律ではありません。午前中に下校させた後、昼食を挟んで午後から部活動を再開する学校や、大会直前で午後練を設定している中学校・高校も多数存在します。学校や顧問からの活動計画表を事前確認する必要があります。
【プロの結論】発達心理学と家族関係の視点から見出すべき教訓
終業式という儀式が持つ真の価値は、心理学でいう「トランジション(人生や日常の移行期)」を円滑に行うための心理的バウンダリー(境界線)の形成にあります。
毎日同じ生活リズムが続く近代社会において、区切りのない日常は子どもの学習意欲や集中力を摩耗させます。「今日でこの学期の戦いは終わった」「明日からは自分の意志で時間をデザインする長期休みだ」という強い自覚を持たせる儀式こそが、自己調整学習能力(セルフコントロール力)を育む土台となります。
また、通知表を受け取った際の親の対応について、家族社会学および教育心理学の観点から導き出される重要な判断基準は以下の通りです。
- 子どもの自立を促す家庭の対応:
通知表の数値そのもの(結果)よりも、所見欄に書かれた「行動や意欲(プロセス)」に注目し、まずは「1学期間、無事に通い切ったこと」を承認する。成績の振るわなかった部分については「どうすれば改善できそうか」と子どもの主体的意見を聞く。 - 子どもの自己肯定感を奪う家庭の対応(避けるべき対応):
兄弟姉妹や友人との比較、感情的な怒声、数値の低さを理由にした人格否定。親の期待を押し付ける「毒親的アプローチ」は、子どもの心理的バウンダリーを侵害し、長期休みの学習意欲を完全に奪う原因となります。
終業式は、学校での学びを家庭での学びに引き渡す「バトンタッチの瞬間」です。親が子どもの努力を肯定し、健全な距離感を保ちながら長期休みの計画を対話する場として活用することが、最も効果的な教育的サポートとなります。
【終業式とは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:終業式を休んだ場合、通知表や夏休みの宿題はいつ受け取れば良いですか?
A1:終業式の翌日以降、平日の日中(教員の勤務時間内:概ね8:30〜16:30)に保護者が職員室へ直接受け取りに行くのが一般的です。訪問する際は事前に電話で担任教員へ連絡し、受取日時の約束を取り付けておくのがスムーズです。
Q2:二期制(前期・後期制)の学校には終業式がないのですか?
A2:二期制の学校では、夏休み前には終業式を行わず「夏季休業前全校集会」などの名称で集会を開きます。そして10月中旬の秋休み前に「前期終業式」を行い、通知表を渡します。その後、秋休み明けに「後期始業式」を行うシステムが標準的です。
Q3:終業式の日の持ち物が多すぎるのですが、何日かに分けて持ち帰ることはできますか?
A3:多くの学校では、終業式の1〜2週間前から「持ち帰り週間」を設定し、図工の作品や絵の具セットなどを計画的に持ち帰るよう指導しています。計画通りに進んでいない場合は、終業式の前日までに大きめの袋を持参して少しずつ持ち帰るのが賢明です。
Q4:終業式で配られる通知表を紛失してしまった場合、再発行はしてもらえますか?
A4:通知表の原本(台帳)データは学校の「指導要録」に保存されているため、教員に相談すれば再発行または成績証明書の発行が可能なケースが多いです。ただし、学校印が押印された正式な紙面での再発行には数日かかる場合があるため、受け取り後はスマートフォンのカメラで撮影してバックアップを保存しておくことを推奨します。
まとめ:終業式を正しく理解し、次のステップへつなぐ節目に
終業式は、単に「長期休みが始まる前日」ではなく、一学期間の学習や集団生活を振り返り、自立心を高めるために設計された重要な教育行事です。修了式との違いや当日のタイムスケジュール、通知表が持つ教育的意図を正しく把握することで、子どもへの声かけや準備も格段にスムーズになります。
変化の激しい教育環境の中にあっても、「節目を大切にする」という儀式の本質は変わりません。終業式という機会を最大限に活かし、子どもがこれまでの成長を実感しながら、次学期や次の学年へと前向きに進むための確かな足がかりとしていきましょう。 (出典: 終業 式 と は(Yahoo!ニュース))